こんにちは。
日々、実験・論文・学会・TA業務に追われている医学系大学院生の皆さん、本当にお疲れさまです。
博士課程や修士課程の生活は、自由と孤独とプレッシャーの三重奏。
「研究が進まない」「周りと比べて焦る」「何が正解かわからない」——
そんな悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな皆さんに向けて、研究生活を少しでもラクに・楽しくするための5つの工夫を紹介します。派手さはありませんが、すぐにできて、効果が長く続くものだけを選びました。
1. 「メンタルログ」をつける習慣をつくる
研究がうまくいかないとき、私たちは「データ」ばかりを見がちです。でも大事なのは、自分自身の“調子”のトラッキング。
- 実験前に「今の気分」「集中力」「不安度」を3段階で記録
- 週1回、どの日が“調子が良かったか”を見返す
- うまくいった日との共通点(睡眠時間、起床時刻、誰と話したかなど)を発見
これだけで、「不調の理由がわからない」という沼から抜け出しやすくなります。
2. 「論文を読む=目的別」にする
論文を読むとき、すべてをじっくり読もうとしていませんか?
目的に応じて読む範囲と深さを変えることが、知的コストの節約につながります。
目的 | 読み方 |
---|---|
アイデア探し | AbstractとFigureだけ流し読み(5分) |
方法の確認 | MethodとFigure legendを重点的に(15分) |
引用前提 | IntroductionとDiscussionも含めて精読(30〜60分) |
大切なのは、「全部読まなきゃ」という罪悪感を手放すことです。
3. 「ラボの中で“非研究の会話”をする日」を作る
孤独感や燃え尽きの原因の1つは、ラボ内での人間関係が「仕事」だけになること。
週に1回だけでも「10分だけ研究以外の雑談をする」時間を意識的に取ってみてください。
- 好きなごはんの話
- 旅行・帰省・映画など軽めの話題
- 他の分野の面白い論文
それだけで、居心地の良さや“味方がいる感覚”が段違いになります。
4. Excel or Rで「図を作る力」を早めに磨く
図の綺麗さは、想像以上に研究者としての印象を左右します。
- 修士の段階からggplot2やGraphPadに慣れておく
- 論文図を真似して、自分なりに再現してみる練習
- 図と統計の一貫性(誤差棒、n数の明示など)を意識する
これは「自分の研究を他人に信じてもらう技術」でもあります。
5. 「研究者仲間以外」と話す機会を定期的に持つ
狭い世界にいると、自分の研究が「つまらない」と感じやすくなります。
そんなときに効果的なのが、医療者・患者・文系出身者・社会人など、異なる視点を持つ人との会話です。
「それ面白いじゃん」「なんでそういう研究してるの?」と聞かれるだけで、自分の研究が社会に繋がっている感覚が戻ってきます。
最後に:成果が出なくても、前に進んでいる
成果が出るのはほんの一部の時間。
多くの大学院生にとって、研究は不確実性の中でもがく日々です。
でも、今日もラボに行ったこと、論文を開いたこと、失敗して学んだこと、すべてが積み重ねてきた「学問の時間」です。
たとえ今、何も結果が出ていなくても、
あなたの努力は確実に「未来の科学の基礎」になっています。
何か1つでも、あなたの今日がちょっとラクになるヒントになれば幸いです。