第10回:良い睡眠とは何か ― 科学が示す“眠り方”

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はじめに

「7時間寝ればOK」
「早く寝れば健康」

こうした“正解っぽい言葉”は多いですが、
睡眠科学が示す良い睡眠は、もっと立体的です。

最終回では、
✔ 良い睡眠の定義
✔ 科学的に重要な要素
✔ よくある誤解

を整理し、再現性のある睡眠の考え方をまとめます。


良い睡眠の定義

科学的に言うと、良い睡眠とは、

日中の覚醒機能を最適に保てる睡眠

です。

  • 気分が安定する
  • 集中できる
  • 体調が保たれる

「何時間寝たか」より、
👉 日中どう機能しているかが指標です。


睡眠の3本柱

睡眠の質は、次の3つで決まります。

① 量(Duration)

  • 成人で概ね6–8時間
  • 個人差あり

短すぎても、長すぎても不調が出ます。


② 質(Continuity & Architecture)

  • 中途覚醒が少ない
  • ノンレム・レムの構造が保たれる

👉 深さより「壊れていないこと」


③ タイミング(Timing)

  • 体内時計と合っている
  • 社会時刻とのズレが小さい

夜型を無理に朝型にすると、
質が下がることもあります。


科学的に“効く”睡眠習慣

エビデンスが比較的しっかりしているものです。

  • 起きたら光を浴びる(特に自然光)
  • 休日も起床時刻を大きくズラさない

  • 仮眠は20–30分以内
  • 15時以降は避ける

  • 就床時刻より「起床時刻」を固定
  • 就寝前の強い光を避ける
  • 寝床は“眠る場所”に限定

よくある誤解

「寝だめできる」

→ ❌ 一時的補正にすぎない

「酒は眠りを良くする」

→ ❌ 入眠は良くても、構造は破壊

「高齢者は短くていい」

→ ❌ 必要量は大きく変わらない


睡眠薬について

睡眠薬は、

  • 睡眠を“代行”するものではない
  • あくまで補助

重要なのは、
👉 睡眠を作る力を取り戻すこと

特に慢性不眠では、

  • CBT-I
  • 行動・認知の修正

が本質的治療です。


睡眠を“管理”しすぎない

意外に大事なポイントです。

  • スマートウォッチの数値
  • スコアへの一喜一憂

👉 睡眠はコントロール対象ではなく、結果

やるべきことは、

  • 環境と習慣を整える
  • あとは体に任せる

睡眠は才能ではない

最後に一番伝えたいことです。

👉 睡眠は訓練ではなく、条件反射

正しい条件を揃えれば、

  • 誰でも改善する余地がある

「眠れない自分」を責める必要はありません。


シリーズまとめ

この10回で見てきたこと:

  • 睡眠は能動的な脳機能
  • 記憶・感情・免疫・代謝に必須
  • 体内時計が土台
  • 年齢や個人差が大きい
  • 良い睡眠は“日中で決まる”
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