はじめに
「7時間寝ればOK」
「早く寝れば健康」
こうした“正解っぽい言葉”は多いですが、
睡眠科学が示す良い睡眠は、もっと立体的です。
最終回では、
✔ 良い睡眠の定義
✔ 科学的に重要な要素
✔ よくある誤解
を整理し、再現性のある睡眠の考え方をまとめます。
良い睡眠の定義
科学的に言うと、良い睡眠とは、
日中の覚醒機能を最適に保てる睡眠
です。
- 気分が安定する
- 集中できる
- 体調が保たれる
「何時間寝たか」より、
👉 日中どう機能しているかが指標です。
睡眠の3本柱
睡眠の質は、次の3つで決まります。
① 量(Duration)
- 成人で概ね6–8時間
- 個人差あり
短すぎても、長すぎても不調が出ます。
② 質(Continuity & Architecture)
- 中途覚醒が少ない
- ノンレム・レムの構造が保たれる
👉 深さより「壊れていないこと」
③ タイミング(Timing)
- 体内時計と合っている
- 社会時刻とのズレが小さい
夜型を無理に朝型にすると、
質が下がることもあります。
科学的に“効く”睡眠習慣
エビデンスが比較的しっかりしているものです。
朝
- 起きたら光を浴びる(特に自然光)
- 休日も起床時刻を大きくズラさない
昼
- 仮眠は20–30分以内
- 15時以降は避ける
夜
- 就床時刻より「起床時刻」を固定
- 就寝前の強い光を避ける
- 寝床は“眠る場所”に限定
よくある誤解
「寝だめできる」
→ ❌ 一時的補正にすぎない
「酒は眠りを良くする」
→ ❌ 入眠は良くても、構造は破壊
「高齢者は短くていい」
→ ❌ 必要量は大きく変わらない
睡眠薬について
睡眠薬は、
- 睡眠を“代行”するものではない
- あくまで補助
重要なのは、
👉 睡眠を作る力を取り戻すこと
特に慢性不眠では、
- CBT-I
- 行動・認知の修正
が本質的治療です。
睡眠を“管理”しすぎない
意外に大事なポイントです。
- スマートウォッチの数値
- スコアへの一喜一憂
👉 睡眠はコントロール対象ではなく、結果
やるべきことは、
- 環境と習慣を整える
- あとは体に任せる
睡眠は才能ではない
最後に一番伝えたいことです。
👉 睡眠は訓練ではなく、条件反射
正しい条件を揃えれば、
- 誰でも改善する余地がある
「眠れない自分」を責める必要はありません。
シリーズまとめ
この10回で見てきたこと:
- 睡眠は能動的な脳機能
- 記憶・感情・免疫・代謝に必須
- 体内時計が土台
- 年齢や個人差が大きい
- 良い睡眠は“日中で決まる”